かくれんぼ

がら空きの広場に一人ぽつんと立つ
おおきな老木の周りでかくれんぼ。

鬼の役目はいつも僕。
レンガを敷き詰めた歩道の上から
すべてを抱え込んでくれそうな
その巨木を照らしてみると
よぼよぼの広がりに隠れた子供たちが
一人、また一人と現れる。

だれかを見つけるたび
僕はすこしずつ木の周りを動き、光を照らしながら、
早く見つけて、とささやく子供を探すのに、
どれだけ周っても僕とは正反対の場所に
居つづけようとする子がいる。
光の届かない巨木の陰が大好きな
真っ暗なところでくすくす笑っているのは
顔もしらない、いつものあの子。

鬼の僕から逃げつづけて、
照らされること無くずっと逃げまわっているあの子。
見つけられずに不安が高まると
笑い声は泣き声へと変わるのは分かるのに
遊びに疲れきって、日が暮れ始めると
探してあげたい気持ちも次第に無くなり
僕はまた帰途につく。

早く鬼を交代したいのに、
知らないあの子を探し出せない僕は
これからもずっと同じことを続けるのだろうか。

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By GloomyWind 2003/3/30
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